甘露の密



 

今日は八愛の実践、その一つ一つの愛の中に

その土台として常に含まれ構成されていなければならない心の在り方、

甘露の密を教化したいと思う。

甘露とは古代インドではアムリタと言って

このアムリタは様々な苦悩を癒し

長寿をもたらし、死者さえも復活させる甘い霊液であり

神々の飲む飲料である。

つまり甘露の密とは

そのような素晴らしきアムリタなる奇跡が

愛染聖天様の教えの道の一つの秘密として

密として集約されたもの。

要するに八愛という教えのその一つ一つの愛には

この甘露の密=秘密がその糧、土台として集約、構成されて

初めて八愛は完璧になるとする、それが聖天教で説く

八つの甘露の密

即ち

八密なのである。信徒の皆はこれを良く学び

美しい八愛、その一つ一つを獲得する度に

その一つ一つにこの八密を集約土台ならしめて欲しい。

 

 

一、大観蜜(密)

 これは、愛の発起を見る時に、大きい観点から自分というものを見極め

観察し、自分という者をよく捉え、その愛という本質を良く見極める密である。

例にあげると、例えば皆に好きな男性が出来て、その者に対する愛が深まって来た時

何も考えず、何も現実をみず、そして自分の心を視ずに、

唯突き進むのは崇高な愛を危険に晒すものである。

己が己の親になったつもりで考えれば解り易い。

・まず自分というものはどのような人間関係の上にたっているのか?

(こうではいけないというものではなく、自分という者を確認しておけば

相手に対し、愛という関係を築く際に、言動、行動に於いて非常に有効であるという観点である)

・相手はどのような人間であり、どのような関係性に生きる者か?

・改めて自分の気持ちを確認し、愛という行為に必ずついてまわる

不惜という、惜しまない愛の奉仕に値するか見極める。

注)八愛には環境、自然、輪廻にまで定義する愛が及ぶ。

何も異性に対する愛だけにはとどまらない。

 

  二、小観密である。

一の大観蜜により覚悟せられ、また確認、理解し出来たならば

その愛の正しさを大観密によって理解したのだから

次はその不惜の愛を

自分中心、我が一人の心だけに投下させ

美しく育てる作業、これが小観密である。

ここで人はまざまざと自分の愛に美しい未来を

抱くであろう。

 

三、調蜜(密)

小観密に置いて隆起した愛の展望と自信

それはまるで子供が日中騒ぎすぎると

興奮して眠れなくなるよう興奮を促す。

つまり小観密の状態は得てして他との差異と違和を生じさせやすい。

故にそれによる

行き過ぎた、行動、考えを正しく抑制せねば

素晴らしい愛は遠のく。

要するにそれを整えるのが調密である。

心をよく落ち着かせ整えるという事である。

よく、何かする前に深呼吸しろなでと言われることもこの調蜜と

受け止めて欲しい。

座禅、冥想も然りである。

 

四、省蜜(密)

ここで必ず行わらなけれいけない心の作業である。

上記の流れから、よく整われた愛心の完成に

必ずや高揚から調和、平静に向かう心に、省みなければいけない部分が

必ず浮かび上がってくる。

これを見いだし、更に修めて行くのが省密である。

 

五、動密

大観密~省観密によって

精製された心による行動に於ける

有り方を得とくする密である。

 

六、静密

動密と両輪である密。

大観密~省観密によって

後は行動のみとなった動密の

その土台になっている己の心を

常に内観し、

大観密~省観密によって得られた悟りから

常に逸脱しないよう動密を見つめる

密である。

 

七、不惜密

常に大観密~静密よって繰り返される

密の修養により

得られて行く深い愛。

不惜の愛の心を

成長、貯蓄して行く密である。

 

八、本尊密

大観密~不惜密までの全ての学びの

心の根底には、常に

大愛そのものである愛染聖天様がいらっしゃる

という深い悟りと気付きの密。

 これらすべての感情からなる考え、行動、は

歓び、怒り、などの唯単純な情動に至っても、

其処には必ず我等が御本尊様が存在せしむ事に

深々と悟る事を成さしむこの密に於いて

八つの甘露密は完成する。

信仰の深さが鍵である。

 

 

例えばこのようなものも本尊密の一つと考えて良い。

今言った言葉の一瞬に御本尊様に帰依する私はいただろうか?

 今行ったしぐさに、御本尊様と供にあらんとする自分はいただろうか?

 今何かを求めた感情に、御本尊様はいらっしゃっただろうか?等

そうやって何度も常に生活の中で本尊に回帰する事を

普段のものとし、そこから得られる様々な悟りを習得する

心の甘露の作業。

 

 

 

以上が八つの甘露の蜜であるが、どうか信徒の皆に於かれては

この八つの甘露行に支えられた、八愛水を己の信仰に注ぐことによって

成就した者は更なる成就を、まだの者はその願いの昇華成就を

目指し、良く実践せらるる事をご指導させて貰う。

完璧な愛水の構成は、この八つの奇跡のアムリタ密の心から成っているのだから。

 

 昨日浴油の中盤に、愛染聖天様を懐紙で包みながら、胸のところで深く

皆の心願を念じ、お体から油分をよくとるのだが、その時に

一日の御縁日だったからであろう。

大変部屋が揺れたのだ。地震だとおもったら地震は無かった。

不思議である。

今度最秘法の人間でこの油のついた、愛染聖天様様を包んだ懐紙で作った

御守りをあげようと考えている。

大変御利益は間違いは無い。

 

 

 

合掌