余震が続き、物資供給が滞っている中、皆様は大丈夫であろうか。
我が教団ではあと二人の信徒様のご家族の安否が確認出来たならば
救人目標は達成する。
今日も秘法に入られている信徒様のご家族が最激震地から生還
されたというご報告を頂いた。
またご両親と弟様の安否がわからなかった信徒様のご家族の
無事も確認。さらに、津波の被害が甚だしかった大槌町からご
親友が生還されたというご報告も入った。
あのような大変な状況に於いても
大いなる愛染聖天様の御護りがあることを皆様
実感して頂いている事と思う。
そんな中、被災地でおばあ様をお持ちの信徒様の
無事の報告を聞いた時には、私は本当に涙が出た。
この方のおばあ様の話によると、
78歳という事で、当然足腰は悪い。
旦那様に先立たれて、その時は自宅に一人だったらしいのだが、
そのような状況の中、あの地震の津波がおばあ様を襲った。
津波警報の中である、眼前には津波が迫っている、お年寄りの逃げる術は既に
なかったという、そんな時、おばあ様の唯一脳裏に浮かんだ脱出方法といえば
二階の小窓から見える中二階の屋根にしがみ登り、
それを土台に大屋根に登り、安全を確保するしかなかったというのだ。
それしかなかったのだろう。
おばあ様は急いで窓を外し、上半身を懸命なまでに投げだし、
中二階の屋根の末端にしがみついた。
何せお年寄りである。その時おばあ様の感じ得た生というもの
への起立感は、もうダメだという一言だったというから、
状況は凄まじいものであったのだろう、しかしである。
ここで、おばあ様は、人が人としての、正しい心の在り方そのままに、
最後の力を念に宿し、黙祷し心に「神様」と一心に唱えたというのである。
すると、閉じられた眼の眼前には孫の顔が浮かびだし、
なんと、その顔から手が差し伸べられるように垂れ生じたというのだ、
そしてなんという神仏との邂逅であろうか、その手が何ということか、
象の鼻に変身し、おばあさまの手首に巻き付いたというのだ。
おばあ様は気が付くと、老齢なのに関わらず中二階の屋根にし
っかりと立っていたという。不思議な事に、その立つまでの記
憶はそれしかないという。信徒の皆様はこの話を聞いて
どう思うであろうか。
そうである。おばあ様の手に巻き付いた鼻の持ち主は
云うに及ばず愛染聖天様でしかあろうはずがありません。
被災地におられる信徒様。
私と愛染聖天は、あなた方を守っている。この寒さの中
ひもじさを感じさせないよう、命をかけて御祈祷し
ている。これから明けて16日の御祈祷が始まる。
これからまたあなた方を祈らせていただく。
合掌
象の鼻とはまさに愛染聖天様そのものというしか解釈できない。
被災の皆さん。
飢えに勝ちなさい。
私は知っています。あなた方の飢えの苦しみを。
寒さの厳しさを。
それ故に、誰よりも自分の事のようにあなた方を心配し、
命を傾け、象の鼻の如く護ります。
頑張って下さい。頑張って下さい。
頑張って下さい。