浴油供について



 

まず現在行っている大祭は非常に良く行っているということをご報告しよう。

 今日も多くの成就者がでたと報告があった。           

愛染聖天様ご満足の印である。

さて今日は熱心な信徒様方の為に

浴油祈祷に付いて色々お教えしたいと思う。  

諸尊の供養法には種々の供養法があるものの

その殆どは共通していて

比して違わざるものなのだが

殊に聖天だけの供養法だけは特別に違うと云って良い。

この法は密教最極の秘法であり、聖天特有の               

深秘の供養法と位置づけられる

現存する全ての神仏の中の秘法中の秘法なのである。      

このような法が他の諸尊のようにおいそれと人に伝えない、

また行者にも伝授しないのは、

決してその力を己のものにしたいといっただけの理由ではない。           

この法は行者の存念が左右するだけに

映し鏡のように聖天の力も体に宿ってくる法であるから      

大変な精神力、すなわち精神統一、そこから生まれる他と違う能力を必要とするからだ。

もし形だけの者がすれば聖天は動かないばかりかお怒りを受ける。

昨今多々みる光景である。      

このような者に依頼した場合、行者ばかりか依頼者もお怒りに触れてしまう。               

何故なら車の運転を知らない者が

聖天という世界最速の車の助手席に願主を乗せ

運転するようなものだからだ。                          

であるから欲油というのはそれを操る者が

外観からは知りえないほどの細心の気遣いと、

他を超えた力を発揮してはじめて成り立つ。

先ほどの例え話からもわかる通り、命がけの作法なのである。  

まして、全ての神々の主尊にして八百万大小聖天の帝である

愛染聖天の浴油法、愛染毘那夜迦法の深秘なる度合いは

想像を絶するものなのだ。

 

  この作法の工程を一言でいえば聖天の御像に聖油(ごま油)

を御掛けして供養しするものである。           

多羅という器に胡麻油一リットル半、

その中に丁子や白檀をいれさらに匂いを強め、温め、その中に           

聖天にお立ちになって頂き

真言を唱えながら、聖天と己は一つであると

不二一体の境地に  

至りながら杓にて油をかけるのである。

油の加減が成否を決める。

故に実践をつまないと難しい。

熱すぎるととてつもないお叱りを受けるし、

ぬる過ぎるとよく私は体調を崩す。

調伏の時などは  

その時に油の加減で生死にかかわらせることができる。           

また成就には

もっと詳しくいうと

息災、調伏、増益 敬愛と使う油はそれぞれ違う、

何を入れるかは言うのは避けよう。  

あくまで秘法である。      

ただ厳密には浴油というのは

本当は胡麻油ではなく

それはあくまでそれは代用で

正しくは  

牛乳に蜂蜜を入れ油を混ぜた

蘇密油を使う作法をいうのであるが           

しかしこの製法は手間がかかり

知っている者も現在はまずいない。      

というかいない。

私もいつもは胡麻油で代用させてもらっているが、

愛染毘那夜迦法で、これはと思う時、               

また熱心な信徒の危急の願いには               

とても煩雑な仕事ではあるが素晴らしく

愛染聖天様が喜ぶからだ。           

このような正統祈祷は恐らく私ぐらいしかやっていないし

使えないと思うが。               

これが、信徒様が一体私が何をしているのかと

疑問に思われている浴油の大まかな紹介である

明後日はその行為の意味する精神的部分を教えようと思う。

何事も心が伴い初めて結実するものなのだから。

 

 

 

合掌