いよいよ春の大祭も近日ということもあって、私もであるが、信徒の皆様も気を引き締めて
おられることであろう。
そのような中、またも奇跡が起こった。
この方は私と公私の区別なく教団を理解し、支えておられる方で、お父様は
某有名会社の社長さんをしておられた方なのだが、愛染聖天様を通じての
ご縁なのであろうか、本当によく教団のお世話をして下さる篤信な方である。
その方の祖母にあたる方が二日前に危篤に陥ったという。
お医者様の御話しでは十二時間はもたないといった宣告を受けたらしく、
急いで東京の有名付属病院に駆けつけ私に状況を説明した
電話口でのこの方の口調はすでに諦めておった。
しかしながら私が少し待つようにと愛染聖天様に掛け合ったところ、
愛染聖天様の顔がどうも大丈夫だと私の心に問いかけるのである。
私は直ぐさまこの方にお電話し、
「いつも愛染聖天様の祭壇などを掃除し、お供物の買い出しなど、特に煩わしいお世話を
進んでなさっておられるあなたに愛染聖天様が功徳を下さらないはずがない。
確かに直ぐに良くなるからそのつもりでいろ」
私は自身をもってそうお伝えさせて頂いた。
しかしながら、この方の調子は
「勇気づけて下さってありがとうございます」
といったもので、有名なお医者様のお話しということもあり、気落ちした
ものであった。
そこで私は(これは秘法中の秘法の人間にしかしていない)
「愛染聖天様の金の御厨子を開き、私の直接の吐息をもって
愛染聖天様の耳に吹きかけるように
今回、助けて貰えるはずと確かにおっしゃったと私は思っている。
今その事をいつもあなた様にお給仕している何某という方に自信をもってお伝え
してしまった。
非常にこの教主の勝手な言い分になってしまうが
おばあ様の意識がもどらなければこの私のメンツにかかわるので
どうか聞いて下さい」
すると五分もしなかった。
直ぐに東京の病院から電話がなった。
なんと見事におばあ様が息を吹き返し
腹が減ったから何かか食べさせておくれと言ったというのだ。
この方の感動と奇跡への驚嘆は
咽ぶ感謝と喜びの声とともに、さらなる篤信なる愛染聖天様への殉教の誓い
と賛美に御変わりになっていた。
ご本人の言葉ではないが
なんと不思議なことであろう。
これは私の力ではない。
これが我が教団の御本尊様の愛の力、大神通力なのである。
愛染聖天様はいつも信仰するものを決して裏切らないばかりか
稀有、未曾有の奇跡をいとも簡単に起こされ、分け与えて下さる。
その深い愛は生殺与奪をも凌駕し、
信徒に生きる希望と喜び、他に分け与える無償の慈愛を
奇跡をもって顕示してくださるのだ。
まさに平伏すばかりである。
合掌