信徒の皆から愛染聖天信仰に付いてもっと詳しく聞きたいと
せがまれながら、法話の更新を少し空けてしまった。
まことに申し訳しく思う。
今日は愛染聖天信仰の功徳の貰い方の一つ
食の精進に付いて書いてみたいと思う。
昔から特定の神仏を主宰する者はその神仏の好きなものを食するのが習わしである。
これは仏の力を体にそのまま受け入れるという考えからの行為で、
その神仏の嫌いなものを避け、
好きなものを食する事で神仏が抵抗なく体の中に入り込めるようにするという
理由からだ。
加えて、主宰する者はこれに儀式と真言
そして特別な観想を加える事によって
感応道交といって神仏と感応交わり、やがては同体となり
果ては、神仏ばかりでは無く
願う信徒の心とも感応を求め、その者自身となって
己の中に神仏と行者、願う者という
三力冥合を実現し
信徒の願いを叶えて行くのである。
予断ではあるが一般寺院などで
まるで薄利多売のように
信徒の心願を台帳か何かにまとめていくら拝んだ処で
絶対に効果がないのは、このような感応道交の階梯に
願う者との感応同交が全く未熟で形式的なものであるからなのだ。
であるからして
我が教主を務める
愛染聖天信仰では意志の疎通こそを大切にしているのであって
このような理由から我が教団は
その都度浴油のお布施を頂くのでは無く
永代供養を行っているのである。
信徒との意思の疎通とは
畢竟最後まで御面倒をみるという事に落ち着くからである。
さて話を元に戻すが
私は昔、法を修す教主である私以外
信徒様方にも食の精進を奨励していたが今はさして求め無くなった。
何故なら
信徒様方は毎日というわけにはいかない。
一般の神仏三昧とはいかない生活があるからだ。
信徒様にしてみたらその生活がぶれてまでの信仰は辛いことになる。
であるから
もし信徒様の中で食の精進をしたいと申す人がおるなら
御縁日の日だけ実践してみたらどうだろうかと考える。
御縁日は愛染聖天様が非常に歓喜なさる日なのであるから
その有難い日に精進し愛染聖天様の力を体に受け入れ
功徳を頂いてみてはいかがだろうか。
ご参考までに
尊天の好物は 桃 大根 和菓子 胡麻油 リンゴ 柿 栗 酒
嫌いなものは 四足(鳥肉と魚以外四本脚の動物の肉)
五辛(にら にんにく らっきょ ネギ類一切 ひる)
しかし御縁日の日はあくまで精進といっても潔斎の意味もあるので
出来る方がおれば魚肉、酒は控えた方が更に良い。
是非参考にしなさい。
合掌
追伸
食の精進をすれば功徳が頂けると思い
毎日繰り返し続け
遂には体を壊されたり
尊天に一生食べませんからと
断ち物のお約束をしてしまい
破って
かえって怒りを被る方が出てこないように
して頂きたい。
現代では普通に生活をしているだけで
何の食べ物に何が入っているか解かりづらい
そう考えただけで
毎日食の精進を続けるという事はそうたやすいものではないのだ。
歓喜天は、まして愛染聖天様は功徳極まりない代わりに
約束を違える事にはとても厳しい、
うっかりなんていうものも絶対にお許しにはならない。
ですから断ち物などは絶対にしないようにお諭ししたい。